オリエンタルスコープとは

「干支」、「二十四節気」、「季節ごとに夜空に見える星座」を意識した生活ができるようにしたカレンダーのことです。私たち日本人の生活には、十干十二支の組み合わせが配当された時間が流れ、季節の移り変わりを言葉を通して知る文化がありました。現代に生きる私たちにとっては馴染まなくなったこれらの感覚を呼び起こすことができれば、古代人の感覚に共感できたり、移り変わるものの中から変わらないものを見出しそこから新たな発見ができるのではと考えました。以下にこのカレンダーを作ろうと思い立った経緯を簡単に説明いたします。
星を見る機会は少なく、唯一見ていられる時間帯は、秋から冬にかけての早朝である。地下鉄の駅を出て、職場に向かって歩く。港区の高いビルが並び立つ中でも、目を凝らして見ていると星が見える。近くの星同士を結んでいくと知っている星座に出会う。北斗七星は間違いない。カシオペア座を探すため、星と星との間隔を利用するとお目当ての星がある辺りの空はビルに隠れてしまっていたり、街の灯りが強すぎて確認できない。そんなひと時が出勤前の楽しみだ。

ある時、いつも見えていたオリオン座が見えなくなった。出勤する時間帯は変わらないので、地球と星座との位置関係が変わったのだと気が付いた。季節ごとに見える星座は、太陽を公転する地球の位置によって変化してくる。今の季節に地球はどの位置を回っているのか知識として知っていれば、次に夜空を見上げた時に、これまでよりももっとたくさんの星座を見つけられるはずだと考えた。できれば、携帯電話の画面ですぐに確認できるものがあったら便利だ。いくつかサイトを探すとイメージに近いものはあるが、自分がほしいものと違う。できれば、星の動きで吉凶を占った古代人の感覚を現代に呼び起こせるものがほしい。そう思って、コンピューターグラフィックの本を買い集め、読み漁り、太陽と地球と月の動きを見せるアプリケーションを作った。これと干支をカレンダーに組み込み、名を「オリエンタル(東洋の)スコープ(覗き穴)」と名付けた。
この覗き穴から私たちが住む世界を見て、日々の生活のちょっとした変化にも目を向けていきたい。